大学入学から30代前半にかけて、香川県に住んでいた。
車は持っていなかった。移動はほぼ自転車だった。
よく行った場所を思い出すと、公立図書館、単館系の映画館、レンタルビデオ店、本屋、ブックオフ、バッティングセンター、そしてスーパーやお弁当屋さんだった。
当時はママチャリで、結構な距離を移動していた。それが当たり前だった。自転車で行ける場所が、自分の世界だった。
図書館では本だけでなく、ビデオやCDもよく借りた。一人で過ごす時間が多かったから、一人で楽しめる趣味を探していた。
住んでいた街は自転車で十分事足りる都市だった。日本一の長さと言われる商店街があり、再開発で全国的にも話題となった。最近、海沿いに景観のすばらしいホールもできたと聞く。
街が便利だったと気づいたのは、離れてからだ。当時の自分には、その便利さを享受する心の余裕がなかった。
今も自転車は生活の一部だ。5年以上乗っているミニベロがある。折りたたみではなく、おしゃれで実用的な小型自転車だ。ガチの自転車乗りではない。ただ、移動の道具として今も使い続けている。転職活動で車を使う機会が増えてきたのは、本当に最近のことだ。
50歳になるまで、ずっと自転車が自分の足だった。それだけは変わっていない。
筆者:みねと|遠回りした50歳の「仕事」と「お金」

